富盛の石彫大獅子

県指定有形民俗文化財 富盛の石彫大獅子 です。
ど・ど・どアップの顔はいかがでしょうか?

全体像はこんな感じでしょうか!

富盛の石彫大獅子は、沖縄各地の村落祭祀上の目的でつくられた獅子の中でも
高さ1.54m、全長1.40m、幅50cmと最大、最古のもので
1974年には県の指定有形民族文化財にも指定されています。
丘の上の小さな公園の中で、1人寂しく?村落を見守っています。

近くを通るとこの看板が見えてきますので、場所はわかりやすいと思います。

この細い道を登って行きます。

今はなき勢理城(シリグスク)の小高い丘の上にあり、少しだけ階段を上って行くと確認できます。

富盛の石彫大獅子について、少し調べてみました。
1689年、火災が多かった富盛集落にヒゲーシ(火除け)として設置されました。
ヒーザン(火の山)と恐れられた八重瀬岳の中腹にある「シラワレー」とよばれる岩に
石彫大獅子の顔が向けられていて、それ以来火事がおさまったそうです。
富盛のシーサーを皮切りに、他の地域でも石獅子を置く風習が広まったようです。
石獅子は、悪霊の侵入や災難を防ぐ目的で集落の入り口にナンゲーシ(魔除け)、
あるいは山に向けてヒゲーシ(火除け)・サンゲーシ(山返し)として設置されていました。
他にも、龕(ガン)にまとわりつく悪鬼をはらうフーゲーシ(邪鬼返し)の役目で
獅子を龕屋に向けたり、近くに設置したりもしたそうです。
※ 龕とは、遺体を入れた棺を墓まで運んだ輿(こし)を龕(ガン)といい
龕を保管した建物を、龕屋(ガンヤ)といいました。
実は、300年以上も昔から富盛の集落を見守ってきた石彫りの大獅子には
沖縄戦で受けた銃弾の跡があります。
6月23日は慰霊の日でしたが、石獅子の大きな体に開いた無数の穴を見ていると
改めて恒久平和を願わずにはいられませんでした。

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