国指定史跡 日本100名城、「世界遺産・中城城跡(なかぐすくじょうあと)」です。
パンフレットに記載された内容と、ガイドさんに教えてもらった内容で
皆さんを、世界遺産・中城城跡へご案内したいと思います。
「三の郭は新城(ミーグスク)とも呼ばれ、石積み技法の最も進んだあいかた積み(亀甲乱れ積み)
によって築かれている。」
城壁がとても美しく、その大きさに圧倒されてしまいます。
「東に向かって建てられた裏門です。
ペリー探検隊一行がエジプト式と評した精巧なアーチがひときわ美しいと称賛しました」
中城城跡は、裏門からの入場となります。
裏門を入ると、北の郭・物見台があり、戦国時代の様子を今に伝えています。
これから先は、石が敷き詰められた石畳の通路となっていて
通路はツルツルとした石と、ガサガサした石が敷かれています。
向かって左側の石は昔から使われている石で、時間とともに石の角がとれ丸くなっています。
こちらは復元の際に使われた石で、まだガサガサした石です。
「北の郭にある大井戸(ウフガー)。西の郭には夫婦井戸(ミートゥーガー)と呼ばれる二つの井戸がある。
城郭内に水を確保していることが、この城の特徴でもある。」
大井戸(ウフガー)はもともとは城壁の外にあり、お城の命でもある大切な水を守るため
北の郭を作り、大井戸を城郭内に収めたとのことです。
中城城跡には三種類の石積みがあります。
「中城城跡を含め沖縄のグスクは本土より古い時代から石積技術が発達していました。その石積の種類は
大きく分けて野麺積み、布積み(豆腐積み)、あいかた積み(亀甲乱れ積み)があります。」
こちらは三の郭で見かけた布積み(豆腐積み)です。
今回は野面積みの写真を撮るのを忘れてしまいましたが、お城の随所で見られる石積みの技法は
それぞれ特徴があり、石積みの違いが分かると、見ていて楽しいですよ!
こちらはあいかた積み(亀甲乱れ積み)です。
ガイドさんから、「この階段を上ると、下に降りられなくなりますよ!」とのお話に
百聞は一見にしかず!実際に上がってみました。
階段の上から見降ろした様子です。
上りよりも下りの階段は、かなり勾配がきつい感じがして、踏み外さないよう神経を使いました。
もしもヒールを履いている女性の方がこの階段を下る場合は
階段横の壁をつたいながらでないと下りていけないほど、かなり危険な階段です。
二の郭
「一の郭と二の郭の石積みは技法は、布積みである。二の郭の曲線の美しさは一際ひと目をひく」
一の郭近くでは、現在城壁の修復作業が行われていました。
積まれていた石に一つ一つに番号を貼っています。
復元する際には、その番号を確認すれば簡単に元に戻せるようになっています。
何百という数の石が、番号順に綺麗に並べて置かれていました。
拝所 小城ノ御イベ(クーグスクノオイベ) 「通称:久高島遥拝所(くだかうとぅし)」
「聖域・南の郭にある聖地久高島への遥拝所。他に雨乞いの御嶽(うたき)など城内には
八つの拝所がある。今も拝む人が絶えない。」
一の郭から外に出て、正門前にやってきました。現在の正門には屋根もなくやや寂しい作りとなってます。
しかし昔の文献には大変貴重な資料も見つかっています。
ペリー提督も賞賛
「1853年に来島したペリー探検隊一行が現地調査を行い、『要塞の資材は、石灰岩であり、
その石造建築は賞賛すべきものであった。石は・・・非常に注意深く刻まれてつなぎ合わされているので、
漆喰もセメントも何も用いていないが、この工事の耐久性を損なうようも思わなかった。』と記し、
中城城跡のすばらしさを讃えている。
ペリー探検隊一行の画家ハイネの絵 “西の郭より正門を望む”
ハイネが絵を描いたとされる場所より、カメラで現在の様子を撮影してみました。
昔の面影は残っているでしょうか?!
こちらは正門に上がる通路です。左右の階段の高さ、微妙に高さが違うと思いませんか?
先人の知恵がこの階段に残されています。
人々がお城を建てる際、二人がかりで大きな石を担いで階段を登る時に
高さが揃うよう、この階段を使って微調整していたそうです。
お城の城壁の一画に穴が開いてる場所を発見!
この穴は第2次世界大戦の際、日本軍が防空壕を作ろうと城壁の一部を壊し、穴を開けたそうです。
しかし城壁に穴を開けてみると、中からは更なる頑丈な城壁が現れて、
その頑丈さゆえに、日本軍は中城城跡での防空壕作りはあきらめたそうです。
城壁の外側、中城城跡の土台ともいうべき場所にやって来ました。
自然の岩石と地形的条件をうまく活用したお城に、その築城技術の高さを見ることが出来ます。
城壁の土台部分に大きな穴が開いていました。
「カンジャーガマ(鍛冶屋跡)
鍛冶を行っていたところと言われているが、城のためか集落のためか定かではない。
一説によれば護佐丸が阿麻和利に備えるために武具を造っていたとも伝えられている。」
古琉球時代を今に伝える中城城跡
・・・南海の古城に息づくいにしえのロマン。
石垣を渡る風は、訪れる人を古琉球の世界へと誘ってくれます。
北中城村キャラクター「若松くん」が、皆さんをお待ちしてま~す!!